稲妻・雷紋 江戸初期に伝わった舶来パターン

雷紋は稲妻紋ともいわれています。稲妻は雷光の別名、雷光は凶悪なものとされていますが雷は古来から、雨を伴い農作物の成長を助けるということから、稲妻と呼ばれる。けれどその轟音と閃光は古今を問わず恐怖と畏敬の念を覚えさせてきました。
雷文様は古代中国の銅器、鏡などに朱色で彩られていました。江戸初期に明から輸入した織物に付随して日本に伝わり、この新しい舶来パターンは能衣装、調度品、本の装丁にまで取り入れられました。
井原西鶴の「好色一代男」に当時の絵師、菱川師宣が、その流行ぶりを生き生きと描いています。
また江戸中期の強豪力士、雷電為右衛門の化粧まわしには、雷にちなんで巨大な雷文様が刺繍されています。
電、丸と電、立合電菱、釘 電菱、麻形電、三つ盛電、三つ寄電などがあります。